就活では「まずは自己分析が大事」とよく言われます。エントリーシートや面接では、必ずと言っていいほど「自己PR」や「強み」を聞かれるもの。その際には自己分析がしっかりできていることが重要です。
また、まだ明確に志望する業界や企業が決まっていない人もいるでしょう。そんな人も自己分析を行なうことで自分の特徴や長所を把握でき、自分にどんな仕事・業界・企業が合っているのかも見えてきます。就活を進めるためには、自己分析がとても大事なのです。
といっても、「自己分析ってどうやるの?」とわからない人も多いのではないでしょうか。初めての人におすすめなのは、「自己分析シート」を作ること。自分の経験や強み、長所・短所などをフォーマットに沿って書き出していく方法です。
ここでは、自己分析とは?といった基本的なことから、自己分析でわかること、自己分析シートのメリットや作り方について詳しくお教えします。
企業研究やエントリーシートなどの情報収集にも役立つ!
▼この記事を読んで得られること
- 自己分析の必要性が理解できる
- 自己分析シートを用いた自己分析のやり方がわかる
- 自己分析とは
- 自己分析シートとは
- 自己分析シートの種類
- 6つのステップでできる自己分析シートの作り方
- 自己分析シートを作る際の注意点とコツ
- 口コミサイト「ライトハウス」を活用して自分に合う企業を見つけよう
- まとめ
自己分析とは
自己分析は、自分自身を振り返って考え方や強み・弱みなどを理解すること。就活では、ESや面接で「あなたの長所(強み)は何ですか」「自己PRしてください」「なぜこの会社に入りたいのですか」と聞かれることが多いです。これらに明確に回答するためには、自分の長所や短所、価値観を理解し、分かりやすく伝えるために言語化しておかないといけません。
自己分析を行なうことで、就活に大事な下記2つができるようになります。
- 企業選びの軸を明確にできる(=志望動機)
- 自分の考え方や性格、強みを知り、自分について第三者に分かりやすく伝えることができる
(=自己PR)
自己分析を行なう目的
自己分析を行う目的は2つあります。
- 自分の体験から長所・短所を見つけるため
長所・短所を知ることで自分の強みがわかります。自己PRや強みを聞かれたとき、実体験からエピソードを交えてきちんと答えられるかどうかはとても重要なポイント。自己分析によって事前に整理しておけば、面接でも戸惑うことなく自信を持って話せるようになります。
- 自分の適性を理解するため
たとえば自分がやりたい仕事でも合わないかもしれませんし、希望する会社の社風が実は自分の適性に合っていないかもしれません。自分に合わないと長く働き続けられずに、すぐ辞めることになってしまうことも。ですが自己分析で適性がわかれば、自分に合う職業や会社を見つけることができます。
自己分析を行なうメリット
自己分析のメリットは自分の強みと本当の適性が理解できることで、「就活の軸を定められる」ことです。
また、志望動機や自己PRを書く際にも困ることなく答えられるようになります。さらに「自分が将来どうなっていたいか」といった将来像も明確にできれば、それを志望動機に盛り込むことで説得力を高められるでしょう。企業にも入社への強い意欲が伝わりやすくなりますし、「入社後に自分が働く姿をきちんと見据えられているな」という前向きな印象を持ってもらえると評価にもつながります。
▼合わせて読みたい!
失敗しない自己分析|内定をゴールにするのは危険。目的の本質とは? - ライトハウス就活ガイド
自己分析シートとは
自己分析シートは、自分の過去の経験やエピソードなどを書き出して「自分とはどんな人間なのか」「どんな強みがあってどのような職業が向いているか」などを明確にするものです。
何もない状態から自己分析をしようとすると、思いついたことから分析を始めてしまいがち。でもそれでは自分本位の自己分析になってしまいます。結果として客観的な視点で自分を振り返ることができず、本当に自分に合った職業や企業を見つけることができなくなるかもしれません。
その点自己分析シートは、客観的に自分を深掘りするのに役立ちます。自分をどれだけ分析して深掘りできているかは、就活の成功を左右する大事な要素。そのためにも自己分析シートを活かして就活を進めてきましょう。
自己分析シートを使うメリット
自己分析の方法は色々ありますが、自己分析シートを使うと、
- 自分の思考を整理しやすい
- 自分だけではわからない特徴や観点を見つけられる
- 効率的に自己分析を進められる
というメリットがあります。自己分析の仕方がわからない人は、自己分析シートを使って行なうのが一番良い方法です。
最近は、インターネットで時間をかけずに簡単に分析する自己分析ツールもあります。しかし時間をかけて自己分析シートを作った方が詳細に自分を深掘りできます。またそこで得られる自分の性質や特徴は、企業選び等の判断材料になります。ぜひ自分としっかり向き合う時間を作って、自己分析シートを作成しましょう。
自己分析シートの種類
自己分析シートには色々な種類があります。人によって取り組みやすさや向き不向きがあるので、自分がやりやすいと感じた方法で行ないましょう。ここでは、主によく使われる自己分析シートについてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
自分史
自分史は、今までの人生を振り返る「自分の歴史年表」を作成しながら自己分析を行なう方法。自己分析シートの中では一番オーソドックスな方法で、分かりやすいのが特長です。
幼少期から現在までそれぞれのフェーズに区切り、取り組んできたことや頑張ったこと、エピソードや人間関係などを書き出します。できるだけ表を埋めることが大事。昔の記憶を掘り起こしながら、断片的でもいいのでその時期に自分に起こったことや置かれていた環境を思い出していきましょう。
埋められた表から、自分の行動パターンや考え方、特徴などが見えてきます。また自分の変化なども分かりやすいので、成長記としても有効に使えます。
ジョハリの窓
ジョハリの窓は、客観的な視点を取り入れた自己分析方法です。
まずは自分で思う「自分を表す特徴」をいくつか書き出します。そして、自分を知っている人に同様の質問をして返ってきた答えを書いていきます。その結果を、「自分が理解している」「自分が理解していない」「他人が理解している」「他人が理解していない」の2×2のクロス表に当てはめて比較します。
これでわかるのは、「自分が認識している自分」と「他人が認識している自分」の共通点と相違点。自分が思う自分と他人の印象が同じであれば自分の強みとして自信を持てますし、逆に自分で気づいていなかった新たな価値を発見できます。友人や家族など第三者に協力してもらわないと作成できませんが、自己分析において他己分析は大事。他人からどんな風に見えているかを知ることで、自己理解を深められる方法です。
ライフラインチャート
ライフラインチャートは、これまでの人生を振り返ってそれぞれの経験で感じた「感情の変化」をグラフに表していく方法です。
「モチベーション」を縦軸、「年齢」を横軸としたグラフを作成して、それぞれの時期に起きた出来事で感じたモチベーションを縦軸に点で入れていきます。最後に点を結んでグラフにし、上下の幅が大きいポイントに絞って深掘りを行なっていきます。
これを作成すると、自分がどんな時にモチベーションが上がり、どんな出来事にモチベーションが下がるかを整理できます。またそれを「働く」ことに置き換えた時、どんな仕事・環境が向いていているかが見えてくるでしょう。感情の動きがメインの分析方法なので、考えるよりも行動に移すタイプの人や、感覚派の人が取り組みやすい方法と言えます。
マインドマップ(メモリーツリー)
マインドマップは、自分を中心に関連するキーワードを繋げていく分析方法です。メモリーツリーとも呼ばれています。
まず用紙の中心に「自分」を置き、掘り下げたい大きなキーワードを書くところからスタートします。たとえば「部活・サークル」「趣味」「頑張ったこと」「苦手なこと」「やりたいこと」などのキーワードを設定して、それぞれに関連する「出来事」「役割」「感情」「結果」などの思いつく単語を書き足していき、枝のようにつなげていきます。
そうすることで過去の記憶が整理され、頭の中にある思考が分かりやすく可視化できます。マインドマップは連想ゲームのように単語やイメージを広げていけるため、1つのテーマを深掘りするのに向いている方法。自己分析でも使われることが多く、表が苦手な方におすすめです。
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6つのステップでできる自己分析シートの作り方
ESや面接で問われる「強み」や「自己PR」などは、自分の過去のできごとをもとに考えます。そのため自己分析では自分の過去を振り返ることからスタートするのがベスト。自分の過去を時系列で整理すると、その後もスムーズに自己分析がしやすいです。
今回は、一番オーソドックスな「自分史」を使った自己分析シート作成のステップをご紹介していきます。
ステップ1:まずは過去の経験を振り返る
まずシンプルな時系列の表を作り、幼少期・小学校・中学校・高校・大学それぞれで印象的な出来事や自分の考え方などを埋めてみましょう。すぐには思いつかない人は、たとえば下記の質問を参考に思い出してみてください。
- 嬉しかった/楽しかった/幸せだったと感じたことは?
- 悲しかった/苦しかった/悔しかった印象的な出来事は?
- 努力したなと思ったことは?
- 勉強や部活、アルバイトでの成果は?
- 影響を受けた人/出来事は?
- 周囲と協力して成し遂げた経験は?
- 考え方や価値観を刺激された経験や言葉は?
ステップ2:過去の出来事に感情を付け足す
次に、下記のようなライフラインチャートを作って、過去のそれぞれの出来事に「感情」を付け足していきます。
自分史と照らし合わせて作ることで、自分がどんな時にモチベーションが上がったのか、逆にどんな時に下がったのかがわかりやすくなります。
また、同じ「ポジティブ」でもその度合いを比較できます。モチベーショングラフでは、自分の価値観やモチベーションの「源泉」を知ることにつながるので、自己分析のゴールでもある「企業選びの軸を決める」ことにも役立ちます。
ステップ3:過去の出来事を深掘りしていく
上のグラフでわかった、「モチベーションが上がったこと・下がったこと」の経験をそれぞれ深掘りしていきます。
この時、できる限り多く「それはなぜか?」を繰り返し問い続けることが大事です。動機を繰り返し何度も問いかけていくと、自分の本音が深掘りされて本質に近づけることができます。それぞれの経験や出来事を深掘りして書き続けていくと、自分の大事にしている価値観や、根底にある欲求がわかってきます。
ステップ4:モチベーションの上下のタイミングにある共通点を探す
過去の出来事を深掘りしたら、それぞれの結果から共通点を探しましょう。先ほど作成したライフラインチャートで、モチベーションが上がったタイミング、下がったタイミングはどんな時だったか、どんな感情があったからか、を付け足していくとわかりやすいです。
なぜモチベーションが上がったのか、なぜモチベーションが下がったのかを俯瞰して見ることで、自分の志向のクセも見つけられますし、自分の価値観や本質的な特徴を認識できます。
ステップ5:共通点を、働く際に企業に求めるもの・求めないものに置き換えて分ける
次に、その共通点を「働く際に企業に求めるもの・求めないもの」に置き換えて考えていきます。モチベーションが上がったときの共通点を「求めるもの」、下がったときの共通点を「求めないもの」にそれぞれ分類していきましょう。
分類したら、「求めるもの」の中で「絶対譲れないもの」であるMUSTと、「あってもなくても良いかな」というWANTに分けます。「求めないもの」も、「絶対に無理」なMUSTと、「あっても大丈夫」なWANTに分けます。
分類することで、自分が何を大事にしているのか、どんな環境が自分の力を発揮できるのかなどがわかりますし、逆にどんな環境だとネガティブになるのかも見えるでしょう。自分に合う/合わない職種や仕事内容、企業の特徴、一緒に働く人の特徴などがイメージできるようになり、企業選びの軸を考えるのに活せるのです。
ステップ6:MUSTとWANTをもとに、企業選びの軸を当てはめる
ここまでできたら、もう次は「企業選びの軸」を決めていく作業です。企業選びの軸は、一般的に大きく8つ。
- 会社の基盤・規模
- 企業理念
- 事業内容
- 仕事内容
- 風土・カルチャー
- 働く人(社員)の特徴
- 施設環境
- 制度・福利厚生
各軸に、自分のMUSTとWANTを当てはめてみてください。たとえば、「チームで動くことが好き」→「チームで協力して働ける仕事や環境が合っている」。また、「起業なども考えたい、キャリアを上り詰めたい」→「実力主義で評価制度が明確な会社、独立や起業の実績がある会社が合っている」など、自分に合う企業や仕事、環境などがわかってきます。
また、大事にしたいものでキャリアアップやワークライフバランスなど希望がある人はそれを当てはめてみましょう。企業の情報収集をする際に福利厚生や環境・制度面でチェックすべき点などもわかるようになります。
自己分析シートを作る際の注意点とコツ
より効果的に自己分析シートを活用するために、取り組む際の注意点とコツをお伝えします。
凡庸ワードは掘り下げて言い換えると良い
自己分析を進めていくと、その特徴や結果がどうしても抽象的・凡庸なワードばかりになりがち。企業選びの軸を考える際には凡庸ワードの方がわかりやすいですが、自己PRや強みを伝える場面ではありきたりな回答になってしまいます。
他の学生と差別化するためには、自分らしさもアピールすることが必要です。同じ特徴や強みであっても、他の言い方に変えることで企業担当者に印象づけられるようになります。
たとえば「協調性がある」なら、「周囲の意見や気持ちに寄り沿って考えられる」「周囲と協力しながら物事を進めることが好き」など。難しいと感じたら、どんな過程でその分析結果が出たのかを振り返ってみてください。経験から基づいて考えると自分の言葉で言い換えやすくなります。
業界・企業研究も並行して進めること
自己分析からは企業選びの軸や自分の強みなどがわかりますが、同時に業界・企業研究を進めておくことも必要です。
自分の企業選びの軸と企業のビジネスモデルは合っているか、自身の強みはその企業・仕事で活かせるかなどは、業界・企業を理解していないと判断できません。まだどんな業界・仕事を希望するか決まっていない人も、ぜひ自己分析と並行して業界・企業研究を始めましょう。
自己分析は就活の大事な入口ですが、自己分析自体が目的化しては意味がありません。企業選びや実際の選考を見据えながら自己分析シート作成に取り組んでください。
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エン・ジャパンでは、じっくりと慎重に就職先を選んで欲しいという願いから、口コミサイト「ライトハウス」を運営しています。現在日本最大の企業口コミサイトとなっており、大手企業からベンチャー、スタートアップまで多彩な企業の情報が日々更新されています。
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自己分析シートでわかった自分の価値観や企業に求めることなどもすり合わせられるので、よりマッチ度の高い企業が見つけられるはず。ぜひ「ライトハウス」を活用してみてください。
まとめ
就活では自分の強みや自己PRを伝える場面が多く、そのためには自己分析が重要です。自分をしっかり理解しているかどうかは、多くの学生を見てきた企業担当者にはすぐわかるもの。中途半端な分析による曖昧な自己アピールや志望動機では、見破られてしまうでしょう。だからこそ、自己分析をしっかり行なって対策することが大事なのです。
自己分析の方法としてオンライン上で簡単にできるツールもありますが、じっくり時間をかけて自分を理解することも大切。そのためには自己分析シートを作成することがおすすめです。自分の強みはもちろん、価値観や人間性をしっかり理解できれば、面接でも自信を持って意思を伝えられるようになるでしょう。また、自分に本当に合う仕事・企業を見つけることにも大いに役立ちます。就活をスムーズに進めていくためにも、ぜひじっくり自己分析に取り組んでみてください。
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