2017年4月から始まる生命保険料の値上げ。しかし1年後の2018年4月、今度は値下げとなる見通しとなっています。値上げした途端、値下げとなるのはなぜでしょうか? 生命保険料の算定要素をおさらいしながらご紹介していきます。
▼参考記事:https://en-hyouban.com/smartmap/13/report/119/
保険会社の生命保険料は以下の3つの要素から算定されています。
1.予定死亡率
過去の統計をもとに、性別・年齢別の死亡者数(生存者数)を予測し、将来の保険金などの支払いにあてるための必要額を算出します。算出の際に用いられる死亡率を予定死亡率といいます。
2.予定利率
生命保険会社は資産運用による一定の収益をあらかじめ見込んで、その分だけ保険料を割り引いています。その割引率を予定利率といいます。
3.予定事業費率
生命保険会社は契約の締結・保険料の収納・契約の維持管理などの事業運営に必要な諸経費をあらかじめ見込んでいます。これを予定事業費率といいます。
(出典:公益社団法人 生命保険文化センター)
2017年4月の保険料値上げは、②の予定利率が下がったことが原因でした。予定利率低下の原因は、マイナス金利の影響による国債の下落です。
一方今回の値下げには、①の予定死亡率が関係しています。
保険会社が予定死亡率を決めるのに使用している「標準生命表」が11年ぶりに改定されることとなりました。標準生命表は平均余命などを男女別、年齢別でまとめたもの。現在の長寿化が反映される表に改定され、予定死亡率が引き下げられる見込みです。適用は2018年4月からとなり、それ以降の新規契約者の保険料に反映されます。
社会の変化とともに、変動する保険料。今後の動向にも注目です。