ホーム
1億2000万人の食を支える卸


1億2000万人の食を支える卸

情報管理と情報提供で差別化を図る

食品メーカーと小売業者との橋渡し役となり、食料品の流通に大きく関わる食品卸会社。日本国内を流通する食料品の数は多く、それらをメーカーから仕入れて卸す先のスーパーマーケットなどの店舗数もまた多い。さまざまな企業がひしめくこの業界だが、商品自体はメーカーから仕入れているものであり、特に一般消費者向けのスーパーマーケットに関しては品揃えもさほど違いがないため、基本的には商品自体で差別化を図るのは難しい。そこで各社とも、商品力以外での付加価値をつけることに注力している。そこでキーワードとなるのが、「情報管理と情報提供」だ。全国各地で流通される食料品の価格動向や在庫の管理、出荷状況の把握をしておくのは当然として、さらに、小売業者に対して情報提供を行うことで差別化を図っている。飲料であれば天候や気温と販売量の関係性を示すデータ、生鮮食料品であれば売れ始める時期のデータなどを提供しているのだ。さらには周辺の小売店での価格も調べ、データとして提供する。まさに小売店にとっては優秀なコンサルタントがついたようなものだ。1億2000万人の食を支える食品卸会社には、そうした役割が求められている。

業界再編が進む食品卸業界

ここ数年で注目すべきは、かつて業界1位の座に君臨していた国分の動きだ。創業300年を誇る同社であるが、2014年12月に丸紅との包括的提携を発表。丸紅の傘下には冷凍食品卸のナックスナカムラ、菓子卸の山星屋があるが、その両社に国分が出資し、丸紅との協業を強めている。しかし、独立志向が強いと見なされていた国分が、なぜ食品流通に関してそれほど強みを持たなかった丸紅と組んだのか。その背景にあるのが、2011年から進んだ、総合商社を軸にした合従連衡である。まずは2011年7月、三菱商事がその傘下の菱食(総合食品卸)、明治屋商事(酒販卸)、フードサービスネットワーク(コンビニ向け卸)、サンエス(菓子卸)の4社を統合して三菱食品を設立した。そして同年10月には、日本アクセスを子会社に持つ伊藤忠商事が、日本アクセスを軸にして食品卸売事業の再編を行った。伊藤忠商事は、セブン&アイ・ホールディングスとの取引量に強みを持つ伊藤忠食品という会社も持っており、日本アクセスと伊藤忠食品の二本立てで食品卸売事業を進めている。こうした再編により国分は業界3位に陥落、三菱食品が1位に躍り出て、日本アクセスが2位に上がったというわけだ。加えて、高知県の旭食品、石川県のカナカン、青森県の丸大堀内という地方の有力食品卸3社が統合して、2013年に設立したトモシアホールディングスの存在も大きい。総合商社2社が引っ張る形で再編が進む食品卸業界。丸紅と国分による協業の成果が今後のカギを握るであろう。

この記事が気に入ったらいいね!をしよう
スマート業界地図からの最新情報をお届け!
この記事をSNSでシェア
1億2000万人の食を支える卸に興味のある方は
こちらの情報もおすすめ!
業界ウォッチ
業界一覧