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自動車産業を支える、部品業界


自動車産業を支える部品業界

自動車メーカーの系列から脱却

自動車の製造原価のうち、社外から調達する部品や資材の代金が占める割合は約5割を超えるといわれる。それらを担っているのが自動車部品メーカーであある。その市場規模は約26兆円と大きく、年商1000億円クラスのメーカーも珍しくない。
部品メーカーの多くは自動車メーカーの傘下であることから、これまでは「系列」での取引が中心であった。しかし近年は、自動車メーカーがコスト削減などを目的に系列外の部品メーカーと取引する動きが目立つ。一方の部品メーカーもグローバル展開に注力し、系列外の新規取引先の開拓を図っていることから、もはや系列に縛られることなく、独自に成長できる環境となりつつある。

国外で売り上げを伸ばす自動車業界の影響を受け、部品業界も国外市場で存在感を増している。特にアジア市場に注目が集まっており、さらなる需要の拡大が期待される。

世界のメーカーとの熾烈な争い

世界市場を見ると、やはり自動車産業が盛んな国の部品メーカーの規模が大きい。とりわけ、技術力の高さに定評のある日本とドイツのメーカーが強さを発揮している。

現在、世界一の部品メーカーはドイツのロバート・ボッシュである。エンジン点火用装置や電子機器、ステアリングなどの部品の他、工業用のオートメーション機械、電動工具なども生産している。ガソリンエンジンの低公害化に必要な燃料噴射の電子制御技術は同社が開発し、世界中で導入されている。
ロバート・ボッシュと熾烈なシェア争いを行っているのが、日本の部品メーカーのトップである、デンソー。トヨタ系列でありながら、世界の自動車メーカーにその技術や製品を提供しており、40近い国と地域に140以上の拠点を持つ。近年では、農業支援システムや住宅関連など自動車部品以外の領域にも進出。このように、高い製造技術を生かして事業を展開できるのも、部品メーカーの強みと言える。
なお、大筋合意がなされたTPPでは、アメリカへの自動車部品の輸出において8割以上の項目で関税が撤廃されることになっており、実施されれば日本の部品業界にとって大きな追い風となる。

新技術への研究開発で市場が活性化

自動車業界で成長を続けるのが、HV(ハイブリット自動車)、PHV(プラグインハイブリッド自動車)、EV(電気自動車)といった、電気を動力源に持つ自動車の市場である。
富士経済による2015年の調査分析では、2014年のHV、PHV、EVの合計世界市場は203万5600台。今後は、2025年には680万8000台、2030年には1179万4000台に達するとして、さらなる成長を見込んでいる。
欧州各国では、2021年からCO2排出量の規制が厳しくなることから、需要が増加。国内でも、大手国産メーカーのニューモデル投入などを機に、市場は拡大傾向にある。

市場の拡大に伴い、部品メーカーも活気づいている。例えば国内電子部品大手の京セラでは車載用デバイスやセンサー類、車載ディスプレイなど、HVやEVに対する製品を幅広く展開しシェア拡大を目指す。
今後の普及に伴い、快適性や静音性など技術面でのニーズはさらに高まると予想される。そういった繊細な技術に応えることは日本の部品メーカーの得意とするところであり、活躍が期待される。

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