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面接で企業選びの軸の答え方|建前と本音どっちがいい?【回答例7選】

「あなたの企業選びの軸は何ですか?」

 

この質問は、面接の頻出質問であるとともに、合否を分けることもある最重要質問でもあります。そもそも「企業選びの軸」とは、何百万社ある中からあなたが面接を受ける数十社を選ぶ基準のことですが、そのままの意味でとらえて正直に答えればよいのでしょうか?

 

企業選びの軸について考えると、さまざまな疑問がでてきます。

 

「本音と建前のどっちで答えるべきか」

「企業ごとに変えるべきか」

「軸は何個答えるのがベストか」

「面接官はどこを見ているのか」

 

筆者も就活生時代、尽きることのない疑問に頭を悩ませていました。しかし、この記事でご紹介する「ある気づき」によって解決されました。この記事では、7本の例文とともに、企業選びの軸にまつわるさまざまな疑問を解消します!企業選びの軸で、一段上の面接力を手に入れましょう!

 

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面接官はなぜ「企業選びの軸」を聞くの?

結論から言うと「学生と企業のマッチング率を高めるため」です。これは、面接官が企業選びの軸を聞く目的であるとともに、面接そのものの目的でもあります。

 

その企業にマッチングした学生を採用することで、長く働いてもらえたり、新入社員の活躍に繋がるなど、学生と企業がwin-winの関係になるからです。

 

「面接」とは「映画」である!?

面接の目的はマッチングですが、どの学生がマッチしているのか面接官が確実に見抜くのは不可能です。なぜならそれは未来予測をするようなものだからです。実際に長く働いてもらえるのか、活躍できるのかは未来にならないとわかりません。さらに、学生は嘘をつこうと思えばつけてしまうため、見抜くのはより一層難しくなります。

 

しかし、それでも面接官はマッチングしている可能性が高い学生を見抜く必要があります。どのように面接官は見極めているのでしょうか。それが「一貫性のあるストーリー」です。

 

①この学生が新入社員として活躍してくれるかを見るとき

今まで○○に力を入れてきた。(過去) → だから今○○という強みがある。(現在) → その強みをA社の○○という業務で活かせると思う。(未来)

 

②この学生が長く働いてくれるのか見るとき

今まで○○という体験をしてきた。(過去) → だから今○○という価値観を持っている。(現在) → だから社会人として○○がしたいと思っており、それが出来るのはA社しかない。(未来)

 

このように、「過去・現在」と「学生の語る未来」に一貫性があるとき納得感が生まれ、面接官はマッチングしている可能性が高いと感じるのです。

 

例えるなら、面接は「自分をテーマにした映画」を面接官に見せて、その映画の続編に「A社に就職する」というストーリーがあるべきだと、それしかありえないと納得してもらうことです。

 

企業選びの軸は「映画の続編」への納得感を高める

企業選びの軸は、そのストーリーの中でも大事な役割を果たします。それは、あなたの過去・現在と未来 (=志望動機) をつなぐ架け橋になるからです。

 

志望動機は、面接の中で一番といっても過言ではないほど重要な質問です。面接官は、「この学生はきっと弊社で長く働いてくれる」「この学生にとっても弊社で働くことが最も良い選択だ」と確信のもてる志望動機を求めています。

 

しかし、志望動機だけを聞いたところで、学生はいくらでも嘘がつけてしまうため確信が持てません。

 

そこで、あなたの過去・現在と志望動機に一貫性があるか見ているのです。そのための質問こそが「企業選びの軸」です。企業選びの軸の回答次第で、「あなたにとってA社に就職するという未来 (=志望動機) は妥当だね」「あなたの人生というストーリーの続編にA社が登場するべきだね」と思わせられるかが決まるのです。

 

内定がもらえる「企業選びの軸」 4つのポイント

「企業選びの軸は企業ごとに変えるべき?」「何個がベスト?」「本音で答える?それとも建て前?」企業選びの軸に関するこのような疑問に答えながら、企業選びの軸を作る際の意識するべきポイントを4つご紹介します!

 

①志望動機との一貫性

企業選びの軸では、志望動機との一貫性が求められます。企業選びの軸と志望動機で全く違うことを言ってしまうと、一貫性が失われ、面接官の納得感が下がります。

 

しかし、だからといって企業選びの軸と志望動機が全く同じ内容なのも良くありません。なぜなら、企業選びの軸はあくまで「何百万社ある中から、あなたがどのような基準で面接を受ける何十社を選ぶか」という質問であって、なぜその企業を志望するのかという志望動機を聞かれている訳ではないからです。

 

企業選びの軸と志望動機の内容が同じだと、面接官は「この学生は、当社に受かるために都合の良いことを言っているな。この学生の言っている企業選びの軸は、本音ではなく建前だな。」と思われてしまいます。

 

②軸は2~3個がベスト!

企業選びの軸は2~3個で構成するのが良いでしょう。なぜなら、企業選びの軸が1つしかない場合、それは他の多くの企業にも当てはまってしまう可能性が高いからです。それだと面接官は「その企業選びの軸なら、当社じゃなくてもいいよね」と思ってしまいます。2~3個にすることで、「だから当社を志望しているんだね」と納得感を高めることができます。

 

しかし、多すぎるのも良くありません。面接官も人間なので、一度に多くのことを言われても覚えることができず、結局何を言いたかったのかわからなくなってしまいます。結果、納得感が下がるのです。ですので、企業選びの軸は多くても4個以内に収めましょう。

 

③エピソードが紐づいている

それぞれの企業選びの軸に「自分の過去のエピソード」を紐づけることで納得感が高まります。あなたがなぜそのような企業選びの軸を持つに至ったのかを過去の体験から説明できるようにしましょう。

 

私は就活生時代、「企業選びの軸がたった一つの体験から形成されることなんてないよな」と思っていました。事実、価値観というのは色々な出来事の積み重ねで作られていくものですが、面接ではとにかく「納得感」が大事です。

 

多少デフォルメしても良いと思います。面接官が「だからあなたはそのような企業選びの軸を持っているんだね」と納得させられる説明を考えましょう。

 

④企業ごとに作成する

ここは賛否両論分かれる部分かもしれませんが、筆者個人としては、企業選びの軸は受ける企業に合わせて作成することを強くオススメします。

 

本音の企業選びの軸を持つことはもちろん重要です。その軸をもとに受ける企業を選ぶことも非常に大切です。しかし、ひとたび受ける企業が決まったら、「建前でも何でもいいから内定を目指すべき」です。

 

面接官が、あなたの企業選びの軸を聞いて「その企業選びの軸なら弊社が一番当てはまるよ!」と納得してもらう必要があります。その状態を作り出すには、本音で語るより、建前でも企業ごとに作成した方がよいと思います。

 

しかし面接官は、企業選びの軸に対して本音の回答を求めています。ですので、「この学生は建前で答えているな」と思われてはいけません。例えば、企業のホームページや会社説明会で出てきた企業理念や大事にする価値観などの文言をそのままあなたの企業選びの軸に使うのは、建前で答えていると思われてしまう可能性が高いです。

 

受けている企業に最も合う企業選びの軸でありつつも、その企業のために作った建前だと思われないためにはどうすればよいのでしょうか。

 

そのためには、会社ホームページや会社説明会では言及されない、企業の内情をもとに企業選びの軸を作成しましょう。実際にその企業で働いていなければ知らないことをもとに企業選びの軸を作成すれば、その企業に合わせて作ったと思わないでしょうし、まさにその企業にピッタリ当てはまるため納得感も高まります。

 

そして、そのような企業の内情を知る方法は2つあります。OB訪問と口コミサイトです。特に口コミサイトでは、数多くの意見が見られるためオススメです。

 

▼合わせて読みたい!

就活の軸の見つけ方とは?絶対に押さえるべき「4つの王道就活軸」 - ライトハウス就活ガイド

 

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”面接官に伝わる” 企業選びの軸の正しい答え方

あなたがどんなに素晴らしい企業選びの軸を用意していても、それが面接官に伝わらなければ意味がありません。正しい答え方を知って、あなたの考えたことが十分に伝わるようにしましょう。

 

企業選びの軸を答える際に意識すべきポイントは2つあります。

 

①結論ファースト

「企業選びの軸は何ですか」と聞かれたら、まず「○○と△△と××です。」と結論から答えるように意識しましょう。

 

また、「企業選びの軸は〇個あります。」と先頭に付け加えるとより丁寧です。これをナンバリングといいますが、ナンバリングをすることで面接官の頭の中が整理され、伝わりやすくなります。

 

この質問に限らず、面接全体を通じて「結論ファースト」や「ナンバリング」を意識して、わかりやすく伝える努力をしましょう。

 

②回答時間が長すぎない

「回答時間が長くなりすぎない」ことも重要です。準備をすればするほど話したくなることは増えてしまうもの。しかし、だからといって一方的に何分も話してしまうと、面接官の集中力も切れてきて話が伝わらなくなってしまいます。

 

まずは結論だけ述べて、面接官から「それってどういうこと?もう少し詳しく教えて!」と言われるのを待ちましょう。

 

 しかし、もし面接官が「もう少し詳しく教えて!」と聞いてくれなかった場合、あなたの言いたいことが言えずに終わってしまうかもしれません。

 

そうならないために「追加で質問したくなるような回答の仕方」を意識しましょう。回答の中ですべて説明してしまうのではなく、あえて面接官が気になるであろうポイントを残すことで、追加で質問される可能性が高くなります。

 

以下の回答テンプレートを参考にしてみてください。

▼回答テンプレート

面接官:「○○さんの企業選びの軸を教えてください。」

学生:「はい。私の企業選びの軸は〇個あります。○○と△△と××です。1つ目と2つ目の軸は、塾のアルバイトの経験から形成されました。3つ目の軸は、ゼミの活動から形成されました。」

▼解説

結論ファーストが意識されています。また、この回答であれば30秒以内で答えることができ、非常に簡潔です。

 

さらには、「塾のアルバイト」と「ゼミの活動」の具体的にどのような活動から軸が形成されたのがぼかすことで、追加の質問が来る可能性が高めています。このように伝え方を工夫して、面接官にわかりやすく伝えましょう!

 

企業選びの軸 回答例7選!

実際にどのように答えればよいのかイメージが湧くように、主な企業選びの軸7つについて例文をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください!

 

挑戦・チャレンジ

私の企業選びの軸は「最も挑戦できる環境」であることです。私は大学1年生から野球部に所属しています。そこでは、創部以来成し遂げたことのない全国優勝という目標を掲げて取り組んできました。

 

目標こそかないませんでしたが、創部以来最高の全国3位を成し遂げました。高い目標に向かって挑戦する日々は辛いながらも刺激的でしたし、結果的に最高の戦績を収めることもできました。

 

この経験から、社会人としても高い目標に挑戦し続けていきたいと思うようになり、この軸が形成されました。

 

成長・スキルアップ

私の企業選びの軸は「最も成長できる環境」であることです。この軸は、営業のインターンの経験から形成されました。

 

私は負けず嫌いな正確なため、日々必死に営業活動に取り組んでいました。時間とともに営業力が身についていき、成果も上がっていきました。

 

成果が上がり、社員の方々から認められるのも嬉しかったですし、自分が日々成長しているという実感そのものもエネルギーになっていました。さらには、自分が成長することでお客様に喜んでもらえる機会が増えたことも非常にやりがいに感じていました。

 

この経験から、自分が成長することで、自分も企業もお客様もポジティブな感情になることを知り、成長したいという軸を抱くようになりました。

 

人柄

私の企業選びの軸は「社員さんの人柄」です。この軸は、2つの対称的なアルバイトの経験から形成されました。

 

どちらも仕事内容は同じなのですが、一方は人間関係が非常に良好な職場で、他方はそうではない職場でした。

 

人間関係が良好な職場の方が、自分自身が働いていて楽しかったですし、仕事の成果も上がっていました。成果が上がることでお客様に喜んでもらい、その喜びをまた仲間と共有することでモチベーションがどんどん上がっていきました。

 

この経験から、人間関係が良好だとすべてがうまく回ることを知り、この軸を抱くようになりました。

 

地域貢献・地域密着

私の企業選びの軸は「地域貢献ができる」環境であることです。

 

私は地方の出身で、21年間地元でずっと暮らしています。幼少期は、町も栄えていて、商店街やお祭りなど活気があふれていました。

 

しかし、町は徐々に廃れていき、今では商店街は閑散としていて、お祭りはもう開催されていません。このような状況になっているのは、私の町だけではないはずです。

 

このような現状をどうにか変えたいと思い、この軸が形成されました。

 

グローバル

私の企業選びの軸は「グローバルに働ける環境」です。この軸は、東南アジアへの長期留学の経験から形成されました。

 

東南アジアでは、日本製の車や家電製品に対してある種の憧れを感じ、日本人として非常に嬉しかったです。

 

この経験から、発展途上国を中心に日本製品をグローバルに広げていく仕事をしたいと思うようになりました。

 

強みを活かす

私の企業選びの軸は「強みを活かせる環境」であることです。この軸は、私の強みである戦略的思考力を、塾のアルバイトで発揮した経験から形成されました。

 

生徒のゴールから逆算し、今やるべきことを的確にアドバイスすることで、担当生徒全員を第一志望校合格へと導きました。担当生徒が喜んでくれたのはもちろんのこと、ご両親や塾のスタッフも一緒になって喜んでくれ、非常にやりがいを覚えました。

 

この経験から、自分の強みを活かすことで、自分がやりがいを感じられると同時に周りの多くの人を喜ばせることができると感じ、この軸が形成されました。

 

裁量権がある

私の企業選びの軸は「裁量権のある環境」です。この軸は、飲食店のバイトリーダーを務めた経験から形成されました。

 

バイトリーダーとして、意思決定を重ねていくうちに日々成長していき、仕事に大変やりがいを感じるようになりました。また、後輩から慕われたり、社員の方から頼りにされたりと周囲の役に立つことができました。

 

自ら主体的に働き成長することで、自分のためにも周囲のためにもなることを知り、この軸を抱くようになりました。

 

▼合わせて読みたい!

すぐに使える就活の軸一覧!設定する理由や決め方のポイントも解説 - ライトハウス就活ガイド

 

NG解答例

企業選びの軸としてNGとされているものもいくつか存在します。ここでは代表的な2つのNG例をご紹介します。

 

待遇面の良さ

待遇面の良さを企業選びの軸にすることはタブーとされています。しかし、言い換えることでがらっと印象が変わります。

例えば、

  • 給与が高い → 成果が認められる
  • 福利厚生が豊富 → 長く働ける
  • 残業が少ない  →長く働ける

などです。

このような言い方であれば問題ないので、ぜひ参考にしてみてください。

 

好きなこと

その業界や会社、商材が好きだからという理由も良しとされていません。なぜなら消費者として好きなのと、提供する側になるのでは全く訳が違うからです。

 

また、仕事は好きなことばかりできる訳ではありません。好きなことを仕事にしたいと言うと、「では好きなことを以外はしないのか」と思われてしまう可能性があります。

 

そのため、好きということを企業選びの軸にすることは避けた方が無難です。

 

まとめ

以上、「企業選びの軸」の作り方・答え方を解説してきました。ガクチカ、自己PR、志望動機とは違い、どのように答えればよいのか非常に難しい質問ですよね。筆者が就活生のときも、この質問にはかなり悩まされました。

 

しかし「面接=映画」であること、「企業選びの軸は過去・現在と未来の懸け橋」になっていることに気づいたとき、何を答えるべきか明確になりました。

 

この質問は、面接の中で重要な位置を占めるのに、重要だと認識している就活生は少ない印象です。企業選びの軸を作りこんで、ほかの就活生と差をつけましょう!