京都電業株式会社の業績・将来性・強み・弱み

事業の強み：
主業がＧＳユアサの代理店の非常用電源関連品販売及び設置電気工事と、メーカーの後ろ盾があり、京滋地区で唯一の代理店であることから、一定の商圏を確保している。また創業昭和27年と電池業界では相応の業歴があるため商圏内の実績・信用は確立している。官公庁が最終顧客となるケースが大半の非常用電源設備や京都市の条例規制を受ける太陽光発電設備は、一般的な業界に比べ安定している。
派生事業としてのバッテリーフォークリフト事業も住友ナコフォークリフトの代理店。業界シェアは小さく大手の再編が進み競争激しい業界ではあるが、一定の固定客を保持しており安定性がある。
どちらも蓄電池関連事業のためＳＤＧ’ｓに直接貢献する業務として外部発信可能。
安定性のある主業・従業を持つため、新規事業への投資が可能。七味調味料の製造販売に関しては事業開始2年未満だが、拡大性は有している。

事業の弱み：
強みである代理店制度による商圏の固定が、逆に弱みでもある。非常用電源関連事業においては京滋地区を網羅している反面、商圏外に進出しにくいため、限りのある非常用電源設備関連においては売上が頭打ちになる。人的資本を投下してもリターンが限定されてしまう。太陽光発電設備に関しては西日本全域で対応可能だが、一定の競争環境下では利益が限定されてしまい、遠隔地出張など現場担当者への負担増となりやすい。
バッテリーフォークリフト事業は、競争が激化しつつもロジスティクス投資は増加傾向にあり需要は旺盛だが、メンテナンス技術者の市場供給が不足し、また自社育成ノウハウが不十分のため人材不足気味。その他にメーカーが業界再編に参加した場合、代理店として影響を受ける懸念がある。

事業展望：
非常用電源設備関連事業は、京滋地区内での他社競争を勝ち抜き、直接受注や入札案件の増加を図って利益率の向上に努める。一方で、川崎重工業関連の非常用電源設備に付随する京滋地区外での蓄電池売上を確保していく方針。太陽光発電設備に関しては、京都市内の現行の需要を確保しつつ、条例改正に伴う需要増を取込む体制を整える。また関西以外の案件への対応体制を強化する方針。
バッテリーフォークリフト事業は、中小企業ならではの機動力・柔軟性を活かして中堅大手先のシェアアップに注力する。
以上の主業・従業を安定・拡大させつつ、一定の資本を新事業である七味調味料製造販売業に投下し、早期の黒字化・収益の柱に成長させる。